認知症は早期発見ができると、適切な介護サービスの検討ができます。慣れた道で迷ったり、物忘れが多くなったりするのは認知症の初期症状の可能性もあるでしょう。普段の生活の中で少しでも違和感を感じている方は、まずは相談してみるのがおすすめです。
今回は、認知症に関する相談窓口を3つに厳選して紹介します。また、医療機関で行われる認知症の検査や、検査を受ける前の心構えについても分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
認知症についての相談窓口3選!
自分や家族が認知症と思われる時に相談したい主な窓口は以下の3つです。
- かかりつけ医
- 地域包括支援センター
- 認知症を専門とする医療機関
それぞれ順番に解説していきます。
かかりつけ医
まずは日頃より親交のあるかかりつけ医に相談することをおすすめします。かかりつけ医は、普段の患者の生活状況や身体状況を把握しているからです。かかりつけの病院であればいつも行き慣れた場所でもあり、本人や家族も気軽に相談をしやすいでしょう。
必要に応じて認知症の専門的な医療機関を紹介したり、認知症の検査や治療を進めるためのアドバイスを聞く事が出来ます。認知症について気になることがある場合は、まずかかりつけ医に相談してみましょう。
信頼できるかかりつけ医からのひと押しで、専門の医療機関への受診へ繋がることもあります。
地域包括支援センター
かかりつけ医がない場合は、お住まいの市区町村に設置されている地域包括支援センターへ相談してみましょう。介護や医療などの専門的な知識を持った職員が在籍しており、高齢者の方が地域で安心して暮らすためのサポートをしています。
相談内容によっては認知症の専門機関と連携しながら、支援を行っています。日常生活における様々な相談に応じているため、認知症に関する相談もしやすいでしょう。
認知症を専門とする医療機関
お住まいの地域に認知症を専門とする医療機関がある場合は、直接問い合わせてみましょう。認知症の診療は、認知症の種類や原因によって各診療科で得意な検査や治療方法が異なってきます。認知症に対応した医療機関は、主に以下の5つです。
- 脳神経内科・外科
- 精神科
- 心療内科
- 老年科
- 物忘れ外来
お住まいの地域に、これらの診療科をもつ病院があれば、直接問い合わせてみると良いでしょう。
認知症に関する検査の流れ
医療機関で認知症検査を行う流れを紹介していきます。
- 面談・問診
- 身体検査
- 神経心理学検査
- 脳画像検査
それぞれ解説していきます。
面談・問診
問診では、医師から聞き取り調査がおこなわれます。具体的には以下のような質問があります。
- 気になる症状はどのようなものか
- いつごろから出始めたのか
- これまでに悪化したりしたか
- これまでにかかった事がある病気はあるか
- 服用している薬は何があるか
このとき、本人は緊張からいつも通りに回答できないこともあります。普段の様子や行動を知る家族や身近な人が同行し、情報提供することが大切です。
医師の問診にスムーズに答えられるよう、普段の様子や気になる行動などをまとめたメモを準備しておくと良いでしょう。
身体検査
認知症の検査では、鑑別診断のためにさまざまな身体検査も行います。これからの治療方針を決めるために、認知症だけでなく他の病気の有無も確認するためです。
- 視力検査
- 聴覚検査
- 血圧測定
- 発語の検査
- 手足のまひ
- 歩行状態
- 血液検査
- 心電図検査
病院では、これらの検査をすべて行うわけではありません。症状や問診の内容に基づいて、必要な検査を行います。
神経心理学検査
神経心理学検査とは、単純な計算や記憶、書き物などで総合的に認知面を確認する検査です。代表的なものは以下の2種類の検査となります。
- 改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
- ミニメンタルステート検査(MMSE)
これらの検査では、一定基準の点数を下回ると認知症の疑いがあると判定されます。
この検査のみで認知症の診断がつくわけではありません。他の検査結果も含めて総合的に判断されます。
脳画像検査
脳画像検査では、専門の機械で撮影した脳画像をもとに認知症の診断を行います。脳の萎縮や脳血流の低下を調べることで、現在の脳の状態を確認します。主に以下の4種類の検査をもとに調べていきます。
- CT
- MRI
- VSRAD
- SPECT
他の検査と比べて料金が高くなりますが、より精密な検査を行えるのが特徴です。
脳画像検査は種類によっては20000円程の金額がかかるものもあります。検査内容によって金額が大きく異なるため、予約の際に事前に確認しておくと良いでしょう。
認知症検査を受けに行く前の心構え
認知症の検査を受けるには、本人や家族の心構えが大切です。認知症の診断は、家族だけではなく患者に大きなショックを与えるからです。人によっては、不安から受診を拒否してしまうことも珍しくはありません。
もし患者に受診を拒否されたときは検査の前に、医療関係者から患者に説明を行うのがおすすめです。スムーズに検査を行うことができる場合もあります。
- 健康診断の一環で、誰にでも行っているテストだと説明する
- 患者が信頼する人やかかりつけ医に診察の必要性を説明してもらう
事前に本人や家族の心構えができていない場合は、信頼できる医師から説明を受けると良いでしょう。
まとめ
認知症は早期発見が大切です。自分や家族が認知症かもと感じる時には、1人で悩まず、まずは相談をしてみましょう。
認知症は自分ではなかなか気付きがないものです。身近な人や家族から、適切な相談窓口に問い合わせを行い、検査や治療に繋げていきましょう。