刻み食は本当に食べやすい?嚥下が難しい方におすすめの介護食を言語聴覚士が解説

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目次

今回の動画のあらすじ

この動画は刻み食は本当に食べやすいのか、実際に食べて検証する動画です。検証結果を基に、実は刻み食は若い方でも食べにくいことが理由と共に解説されています。嚥下が難しい方でも食べやすい介護食と、家庭でも取り入れやすい介護食のポイントも言語聴覚士が紹介しています。

動画の見所を解説

この動画の見所は、刻み食は嚥下が難しい方に適した調理法ではない理由と、嚥下が難しい方におすすめの介護食を紹介しているところです。嚥下機能の専門家である言語聴覚士がわかりやすく解説しています。具体的な解説ポイントは以下の3つです。

  • 刻み食が食べにくい理由2選
  • 嚥下機能が落ちている方におすすめの介護食
  • 家庭でも取り入れやすい介護食のポイント

それぞれ順番に解説します。

刻み食が食べにくい理由2選

嚥下機能が落ちてきている方でも食べやすいよう、食品を小さく刻んだものが刻み食です。介護施設や病院でもよく提供されています。しかし、実は嚥下機能に問題のない若い人でも食べにくい形態の食事だということをご存じでしょうか。刻み食が食べにくい理由は以下の2つです。

  • 口の中でばらけて噛んでもひとまとめにならないから
  • 細かい食べ物が喉に残るから

それぞれ解説します。

口の中でばらけて噛んでもひとまとめにならないから

刻み食が食べにくい理由の1つめは、口の中でばらけて噛んでもひとまとめにならないことです。口の中で食べ物をひとまとめにできないと、舌を使ってうまく喉の奥に食べ物を運べないのです。

若い方なら口の中で食べ物をひとまとめにすることは無意識にできますが、嚥下機能が低下してくると難しくなります。ただでさえ困難なことが、食べ物が細かい形状になることでさらに大変になります。

口の中でばらけてしまいひとまとめにならいと、いつまでもうまく飲み込めません。食事に時間がかかり、途中で疲れてしまうこともあります。

細かい食べ物が喉に残るから

刻み食が食べにくい理由の2つめは細かい食べ物が喉に残ることです。食べ物がうまく食道に運ばれず、むせや誤嚥の原因になってしまいます。

食べ物を飲み込むとき、嚥下反射が起こり気道の入り口がふさがれます。そのため、気道に食べ物が入ることなく食道に食べ物が送り込まれるのです。しかし、嚥下機能が低下していると気道の入り口がうまくふさがらないことがあります。喉に残った食べ物が気管に入り、むせたり、ひどいときには肺炎の原因になることもあります。

食べ物が喉に残っていると、違和感から食事が進まなくなることもあるでしょう。むせを繰り返すと食べるのが億劫になることもあります。刻んだだけの食事は嚥下が難しい方にとって、とても食べにくい食事です。

嚥下が難しい方におすすめの介護食

嚥下が難しい方におすすめの介護食は以下の2つです。

  • 酵素を使って柔らかく調理したもの
  • ソフト食(通常よりも柔らかめに調理された食事のこと)

両方とも舌やスプーンで簡単に潰せるほど柔らかいため、あまり噛まなくても飲み込みやすいからです。口の中でまとまりやすく、刻み食よりも誤嚥のリスクを減らせます。病院や介護施設で提供される介護食は、酵素を使って柔らかく調理したものとソフト食に変わりつつあります。

刻み食と違い、形も普通の食事に近いので、食欲も湧きやすくなります。

家庭でも取り入れやすい介護食のポイント

家庭で介護食を作るときに、酵素を使ったりソフト食を調理したりすることは難しいでしょう。そこで、家庭でも取り入れやすい介護食のポイントを2つご紹介します。以下が具体的な内容です。

  • とろみやあんを使いまとまりやすくする
  • 均一な形態になるよう調理する

それぞれ解説します。

とろみやあんを使いまとまりやすくする

とろみやあんを使いまとまりやすくした食事は、家でも手軽に取り入れられます。市販のとろみ剤を使うことで、簡単にとろみをつけられるからです。

とろみやあんがあると刻んだ食事もまとまりやすく、飲み込みやすくなります。嚥下障害が軽度ならば、ポタージュ程度のとろみでも十分食べやすくなります。とろみ剤がない場合は、片栗粉やゼラチンなどでとろみをつけることも可能です。

とろみやあんを使って食べ物のまとまりが良くなると、嚥下機能が低下していても食事が食べやすくなります。家庭でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。

とろみのつけ具合は本人に合ったものにしましょう。とろみのつけすぎは窒息の原因にもなります。医師や栄養士など、嚥下機能の専門家に相談するのがおすすめです。

均一な形態になるよう調理する

家庭で介護食を作るときは、均一な形態になるよう心がけましょう。だまがあったり水分と食べ物が分離していたりすると誤嚥のリスクが高くなるからです。

とろみ剤はきちんと溶かさないとだまになってしまいます。だまを飲み込むと誤嚥する可能性があり危険です。また、水分と食べ物が分離している食事は水分を飲み込み誤嚥することもあります。

家庭で介護食を作るときはだまがなく、水分と食材も分離していない介護食を作ることを意識しましょう。少しの工夫で嚥下が難しい方でも安心して食事が楽しめます。

工夫して作っても、食べているうちに形態が変化してくるものがあります。代表的なのはお粥です。お粥は唾液に含まれているアミラーゼという酵素の働きで時間が経つにつれしゃばしゃばになってしまいます。口をつけたスプーンで何度もお粥を混ぜない、スプーンを入れっぱなしにしないなど注意が必要です。

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